耳の病気
- 中耳炎
中耳炎は、鼓膜の奥にある「中耳」という空間に炎症が起こる病気で、主に「急性中耳炎」と「滲出性中耳炎」の2つに分類されます。急性中耳炎は風邪などが原因で細菌やウイルスが耳に入り、痛みや発熱、耳だれ（耳漏）などの症状が現れます。特に乳幼児に多くみられます。
一方、滲出性中耳炎は、痛みはないものの中耳に液体がたまって耳の聞こえが悪くなるタイプで、子どもに多く、難聴や言葉の発達への影響が心配されます。
治療は、抗菌薬や消炎薬などの薬物療法が中心ですが、滲出性中耳炎が長引く場合には、鼓膜に小さなチューブを入れる手術（鼓膜チューブ挿入術）が行われることもあります。鼻とのつながりが深いため、鼻の治療も並行して行うことが重要です。
- 外耳炎
外耳炎は、耳の穴（外耳道）に炎症が起こる病気で、「耳掃除のしすぎ」や「水の侵入（プールや入浴時）」などが原因で起こります。主な症状は、耳のかゆみ、痛み、腫れ、耳だれ、耳のつまり感などです。
軽度であれば自然に治ることもありますが、症状が強い場合は外用薬（抗菌薬やステロイドの点耳薬）や、必要に応じて飲み薬が処方されます。また、炎症の程度によっては耳の中を清掃する処置が必要となることもあります。
予防には、耳の中を過剰に触らないことや、耳に水が入った際にしっかり乾かすことが大切です。
- 突発性難聴 ※当院では精密聴力検査が実施できないため応急対応となります
突発性難聴は、ある日突然、片方の耳が聞こえなくなる病気です。多くの場合、痛みなどの前触れがなく、急に難聴に気づきます。めまいや耳鳴りを伴うこともありますが、はっきりとした原因はわかっていません。ウイルス感染やストレス、血流障害などが関与していると考えられています。
発症から治療開始までの時間が回復のカギを握っており、できるだけ早期に治療を開始することが重要です。
治療はステロイド薬の内服・点滴が中心となり、入院が必要な場合もあります。治療効果は人によって異なり、完全に回復するケースもあれば、聴力が戻らないこともあります。
- 耳垢栓塞
耳垢栓塞は、耳垢（みみあか）が外耳道につまり、音の伝わりを妨げることで聞こえが悪くなる状態です。耳垢は本来、自然に排出されるものですが、耳掃除のやりすぎや耳の形状などが原因で排出されにくくなることがあります。
主な症状は、耳の詰まり感、軽度の難聴、耳鳴りなどで、強く詰まるとめまいや痛みが出ることもあります。
治療は、耳垢を専用の器具や吸引装置で取り除く処置が行われます。
自分で無理に取ろうとすると外耳炎や鼓膜損傷の原因になるため、注意が必要です。
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