鼻の病気
- アレルギー性鼻炎(スギ・ヒノキ・ハウスダストなど
アレルギー性鼻炎は、ダニやホコリなどが原因で一年を通して鼻炎症状があらわれる「通年性アレルギー性鼻炎」と、スギやヒノキの花粉などが原因で、花粉の飛散する時期だけに鼻炎症状があらわれる「季節性アレルギー性鼻炎（花粉症）」に分けられます。
くしゃみ、透明なさらさらとした鼻水、鼻づまりなどの症状が特徴です。
「薬物療法」、「免疫療法」、「手術療法」の主に３つの治療法があります。
また、症状の原因となるダニやスギ花粉などの原因物質を回避する環境整備も重要です。
薬物療法では鼻水をおさえる抗ヒスタミン薬の飲み薬や鼻の炎症をおさえる点鼻ステロイド薬、鼻づまりを改善する作用があるロイコトリエン受容体拮抗薬などが用いられます。
アレルゲン免疫療法は、いわゆる舌下免疫療法が有名です。当院のブログで詳しくご説明しておりますので、そちらも併せてご覧下さい
手術療法は、鼻の粘膜をレーザーで凝固する下鼻甲介粘膜焼灼術などがあります。
薬物療法でも症状がおさえられない場合などに考慮される治療です。
- 急性・慢性副鼻腔炎（蓄のう症）
副鼻腔炎は、鼻の周囲にある「副鼻腔」と呼ばれる空洞に炎症が起こる病気で、急性と慢性に分けられます。
急性副鼻腔炎は、風邪などの感染をきっかけに副鼻腔に膿がたまり、鼻づまり、粘り気のある黄色や緑色の鼻水、頭重感や顔面痛などの症状があらわれます。
一方、慢性副鼻腔炎（いわゆる「蓄のう症」）は、炎症が3ヶ月以上続く状態を指します。
慢性的な鼻づまりや後鼻漏（鼻水がのどに流れる）、においが分かりにくくなる嗅覚障害などが主な症状です。
治療法は、主に「薬物療法」「手術療法」があります。
薬物療法では、抗菌薬（細菌感染の場合）、去痰薬、アレルギー治療などを用います。
慢性化や強い症状を反復している場合は内視鏡下副鼻腔手術が検討されることもあります。
- 好酸球性副鼻腔炎好酸球性副鼻腔炎
好酸球性副鼻腔炎は、比較的新しく定義されたタイプの慢性副鼻腔炎で、主に好酸球を中心とした炎症が主体の副鼻腔炎で、しばしば難治性の病気です。喘息を合併することが多いことも特徴とされています。
主な症状は強い鼻づまり、粘度の強いの鼻水、嗅覚障害などで、鼻茸（鼻ポリープ）を伴うこともあります。
治療法は、主に「薬物療法」「手術療法」があります。
薬物療法では、アレルギー薬の内服やステロイド点鼻薬などを用います。
重症例では内視鏡下副鼻腔手術を行うこともあります。
ただし、手術をしても再発しやすいため、術後の継続的な薬物治療と経過観察が重要です。
近年では、生物学的製剤を用いた治療も選択肢として増えています。
- 鼻茸(鼻ポリープ)
鼻ポリープは、鼻の粘膜が慢性的な炎症により腫れてできた良性のできものです。鼻の奥や副鼻腔内にできることが多く、慢性副鼻腔炎や好酸球性副鼻腔炎に合併するケースがよく見られます。
主な症状は鼻づまり、嗅覚障害、鼻声などで、ポリープの大きさや数によって症状の程度は異なります。大きさによっては自然に治ることは少なく、症状が悪化することもあります。
治療として、背景疾患にアレルギーが存在する場合はアレルギー薬やステロイドの点鼻薬を用いますが、効果が不十分な場合やポリープが大きい場合は、内視鏡手術による切除が行われます。再発を防ぐには術後の定期的な管理が大切です。
- 鼻中隔湾曲症
鼻中隔は、左右の鼻の穴を分ける壁で、通常でもやや曲がっていることが多いです。しかし、その湾曲が強すぎる場合、「鼻中隔湾曲症」として症状が現れます。主に鼻づまり、通気障害、いびき、頭痛などがみられます。
湾曲が軽度であれば症状はありませんが、重度になると鼻呼吸がしにくくなり、鼻炎や副鼻腔炎を引き起こすこともあります。
根本的な治療は手術（鼻中隔矯正術）で、湾曲している部分を切除・整形して鼻の通りを改善します。薬物療法では対症療法にとどまるため、日常生活に支障がある場合は手術が検討されます。
治療案内に戻る