- 同居の家族にいびきがうるさいと指摘された
- 自分のいびきで起きることがある、いびきをかいている自覚がある
- 寝起きがスッキリとしない
- よく寝たはずなのに、日中眠気に襲われる
上記の症状が当てはまる方は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の可能性があります。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、眠っている間に何度も呼吸が止まってしまう病気です。ご本人は気づかないことが多く、ご家族や周囲の方から「いびきがひどい」「息が止まっている時がある」と指摘されて初めて気づくこともあります。
この病気があると、せっかく眠っても質の良い睡眠がとれず、日中に強い眠気を感じたり疲れが取れにくくなったりします。また、放置すると高血圧や心臓病、糖尿病のリスクが高まるといった体への負担も増えるため、早めの検査や治療が大切です。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状
夜の症状
- 大きないびきをかく
- 呼吸が一時止まっていると言われる
- 息苦しくて目が覚める
朝〜日中の症状
- 熟睡した感じがしない
- 朝の頭痛やだるさが続く
- 日中に眠気や集中力の低下がある
- 会議中や運転中に眠くなることがある
なぜ寝ている間に呼吸が止まるのか
睡眠時無呼吸症候群には主に2つのタイプがあります。
① 閉塞性(もっとも多いタイプ)
睡眠中に喉の一部分が狭くなって空気が通りにくくなるために起きます。肥満や喉の構造(扁桃腺が大きい、舌が後ろに下がりやすいなど)が原因になることが多いです。
② 中枢性(稀なタイプ)
脳からの呼吸の指令が一時的に弱くなることで、呼吸そのものが止まってしまう状態です。こちらは割合としては少なく、全体のほんの数%程度です。
― 当院で行っている検査とサポート ―
「いびきが大きい」「家族から息が止まっていると言われた」「眠っても疲れが取れない」
こうした症状があると、睡眠時無呼吸症候群(SAS)や気道の狭さが原因の可能性があります。
呼吸器内科や循環器内科の先生らを中心に睡眠時無呼吸(SAS)のCPAP治療を行っていただいていますが、実は鼻や咽頭の深い評価をすることで根本的な改善やCPAP継続率を上げることが出来る可能性があります。
当院では鼻・喉の通り道が狭くなっているかどうかを、内視鏡(ファイバー)で詳しく調べる検査を行っています。
当院ができること:
■ 鼻・喉の“狭さ”の評価
いびきや無呼吸は、
- 鼻の通りが悪い
- 扁桃腺が大きい
- のどの形が狭い
といった「構造的な原因」によって起きることがあります。
当院では、細い内視鏡を使って以下を丁寧に確認します。
- 鼻の空気の通り道は十分か
- アレルギー性鼻炎などで腫れがないか
- 扁桃腺やアデノイドが大きくないか
- 舌根部(舌の付け根)が気道をふさいでいないか
- いびきの原因になりうる解剖的特徴があるか
この検査は数分で終わり、痛みは最小限です。
■ 手術の適応があるかどうかの判定
構造的な狭さが原因の場合、
- 鼻の通りを広げる手術
- 扁桃腺の手術
などが有効なケースがあります。
当院では、
「手術が有効と考えられるタイプかどうか」
を内視鏡検査の結果から判断し、
適応がある場合には 睡眠医療を専門とした医療機関に紹介状を作成 します。
■ すでにSASと診断されている方の相談にも対応
すでに他院でSASと診断されている方でも、
「治療しているのに症状が改善しない」「機器(CPAP)が合わない」
といった場合には、気道の構造的な問題が隠れていることがあります。
当院の内視鏡検査で、
- 鼻づまりが強くCPAPが使いにくい
- 扁桃腺が大きく気道が狭い
- 鼻中隔弯曲やアレルギーで息が通りにくい
といった要因を確認し、必要に応じて手術などが可能な専門施設へご紹介します。
当院で行えないこと
✖ SAS の確定診断(簡易検査・精密検査)
✖ CPAP やマウスピースなどの治療
✖ 睡眠専門施設の代替となる総合的な睡眠医療
✖ アデノイド切除術、扁桃腺除去術
まとめ ~当院が担う役割~
当院は
「睡眠時無呼吸症候群・いびきの原因となる鼻と喉の構造を調べる」
ことに特化しています。
そして、
- 手術が有効な場合 → 適切な外科実施施設へ紹介
- SAS疑いが強い場合 → 睡眠専門施設での検査をおすすめ
という 中継地点としての役割 を担います。
最後に
いびきや無呼吸の原因は人によってさまざまです。
適切な治療につなげるためには、まず鼻・喉の構造がどうなっているかを知ることが大切です。
気になる症状がある方は、お気軽に内視鏡検査をご相談ください。
